
金の時代
主題は紀元前700年頃のギリシアの叙事詩人ヘシオドスの「仕事と日々」から取られている。ヘシオドスは人間の歴史を金・銀・青銅・英雄・鉄の5段階に分けている。「金の時代」については「かれらは神々のように、煩わしさを知らず、労苦も心身の痛みも知らず、あわれな老いの悲しみにさいなまれることもなかった。生は喜びにみち、死は眠りと変わるところがなく、災禍の外にあった」とされている。クラーナハは「金の時代」を「エデンの園」のように表現しようとしたらしい。岩の間の泉からの水が川になって流れている。旧約聖書・創世記には「エデンから一つの川が流れ出ていた」と記されている。
クラーナハは「銀の時代(下図 右 モノクロ)」も描いている。男たちは武器を持って争い、女たちはエデンの園を追われたエヴァのように、苦しんで子を産んで育てる。
ルネサンス・古代再生。当時の人文主義の傾向も窺わせる。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1530年代
クラーナハ
金の時代
1530年頃 板 テンペラ 75×103.5cm
ベルリン 国立絵画館
ルネサンス・古代再生。当時の人文主義の傾向も窺わせる。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1530年代
金の時代
1530年頃 板 テンペラ 75×103.5cm
ベルリン 国立絵画館
